November 20, 2014

【BOOK】「和田誠装丁本フェア」開催中!

 1960年代から、イラストレーター、グラフィックデザイナー、エッセイスト、絵本作家、映画監督とジャンルを横断して幅広く活躍しつづける、和田誠。
 これまでに出版した書籍が、ついに200点に達しました。その記念すべき一冊が、『Book Covers in Wadaland』(アルテスパブリッシング)。
 和田誠がこの20年で手掛けた膨大な数の装丁作品700点以上をフルカーラーで掲載。1993年にリブロポートから刊行され、いまやコレクターズアイテムである『和田誠 装幀の本』の続編ともいえる、装丁集成です。
現在、店頭では『Book Covers in Wadaland』の刊行を記念し、「和田誠装丁本」フェアを開催中。
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 フェアでは、『Book Covers in Wadaland』に掲載されてる書籍からほんの一部ではありますが、村上春樹、谷川俊太郎、丸谷才一、平野レミ、カート・ヴォネガット、安西水丸との共著を中心に、和田誠の装丁ワークのなかでも代表的な仕事だと思われる作品を集めました。
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 『Book Covers in Wadaland』を眺めていると、ほんとうにさまざまな人物をイラストレーションとして描いていることにあらためて驚きます。作家だけをとっても、星新一、阿川佐和子、井上ひさしといった定番ともいえる書き手から、漱石、啄木、山口瞳、吉行淳之介、安岡章太郎、椎名誠、シェイクスピア、チェーホフ、モーム、アップダイクと、まさに古今東西を問いません。そして誰を描いても一目で和田誠の絵だとわかるオリジナルの職人技。多摩美術大学在学中に,「夜のマグリット」と題するイヴ・モンタンの似顔絵をあしらった映画ポスターで日宣美賞を受賞して以来、発表され続けてきた作家や映画人、音楽家たちの似顔絵、肖像画という大衆的な表現にこそ、和田誠という作家の圧倒的な個性を見ることがきます。
 
 
 そして和田誠といえば、本業のイラストレーター以外にも、『いつか聴いた歌』や『ビギン・ザ・ビギン 日本ショウビジネス楽屋口』など、エッセイストとしても多くの名著がありますが、このフェアでぜひ手にとっていただきたい一冊が、『銀座界隈ドキドキの日々』(文春文庫)。
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 60年代の銀座を舞台に、広告制作プロダクションの先駆的会社「ライト・パブリシティ」にデザイナーとしての入社しから退社して独立するまでを綴り、タウン誌『銀座百点』に連載された自伝的エッセイです。
 ライト・パブリシティ時代の仕事として有名な専売公社のハイライトのパッケージ、社会党のロゴのこと、さらに「マンハント」の表紙画や「話の特集」のレイアウトといった伝説的な雑誌とのかかわり、武満徹、寺山修司との映画音楽の制作などなど、ジャンルを軽々と越境して活躍してしまう稀有な才能には驚くばかりです。さらに横尾忠則、篠山紀信、亀倉雄策、宇野亜喜良 、粟津潔、杉浦康平、田中一光ら、和田誠を取り巻く多くのクリエイターたちの駆け出し時代のエピソードが満載。まだまだ真っ新だったデザイン・広告業界の青春期の雰囲気、60年代という時代の熱気が感じられます。
1977年から手がけている「週刊文春」の表紙のイラストとデザインは、2008年に1500点以上を収録した『表紙はうたう』にまとめられたあとも継続されています。この40年が、後世のイラストレーターやデザイン関係者によって、毎週和田誠の新作が見られた贅沢な時代として語られるのではないかと思わずにはいられません。

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